インフォメーショングラフィックス

2011年3月26日 (土)

第3回InformationGraphics「麹町を時間旅行する」ワークショップに参加しました[当日編]

情報デザインフォーラム・コミュニケーションデザイン研究会が主宰されたワークショップ「インフォグラフィックスワークショップ3 ‘麹町を時間旅行する’」に参加しました。

昨年の「靖国神社をチャート化する」に続き2回目の参加となりました。

(情報デザインフォーラム主宰「横浜ワークショップ2008」を入れると3回目の参加)

今回のテーマは「麹町を時間旅行する」でした。

参加者には以下の宿題が出されました。

  1. 麹町の「オタク」になっておくこと。
  2. A3用紙1枚に、麹町のインフォグラフィックスのスケッチを用意。

当日のスケジュールは以下です。

09:00 会場

09:30 開会挨拶・スケジュールなどの説明

09:45〜10:15 講師によるグループ分け/制作に役立つ講義

10:15〜14:00 グループ内ディスカッション/フィールドワーク/ランチ/説明用デザインラフ制作

14:00〜14:30 グループ対グループで各人が説明/ディスカッション

14:30〜16:00 デザイン制作→完成

16:00 締め切り

16:00〜18:00 プレゼン/ディスカッション/講評など

18:00 片付け

18:30 懇親会

 

1_講義編(09:45〜10:15)

参加者が持ち寄ったスケッチを元に4グループにグループ編成されます。講師の先生方がグループ分けのミーティングをされる間、木村さんが参加者にインフォグラフィックスの講義をしてくださいました。

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(左)木村さんの講義を聴く参加者。 (右)スケッチを元にグループ分けする講師陣

講義は、「Infographicsをデザインする時の5つの要素」です。インフォグラフィックスのデザインにおけるフレーミングリフレーミングの考え方を、制作のプロセスに沿って解説してくださいました。

Infographicsのデザインに必要な5要素は以下。

  1. 見る人の目と心を引きつける  Attract
  2. 伝えたい情報を明確にする Clear
  3. 必要な情報だけに簡略化する Simple
  4. 目の流れに沿う Flow
  5. 文字がなくても理解させる Wordless

インフォグラフィックスの表現では、表現の始めに「目を引きつけるためのアイデア」があるのではなく、まずはコンセプトをしっかり固めることが大切だということが強調されていました。

収集した情報を元に、「この路線でいく」というものを自分でしっかり見極め、一度決めたらブレないように進めていくことが大切ということがよくわかりました。

講義の内容を以下のようにまとめてみました。

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詳しい解説付きの内容を知りたい方は、木村さんの著書「インフォグラフィックス 情報をデザインする視点と表現」(P12〜16)をご覧下さい。


2_グループ内ディスカッション(10:15〜11:00)

グループ分けが終わり、いよいよワークショップのスタートです。持ち寄ったスケッチの方向性によって、4つのグループ(麹町の地形、麹町の変化、麹町の街、その他)が編成されました。

私のグループは「その他」グループ。他のグループに分類できなかった、テーマに基づいてスケッチを描いてきたメンバーが集まった3人グループでした。まずは持ち寄ったスケッチを元に説明をし、聞いていたメンバーと講師の方たちで意見やアドバイスをしました。皆さん、それぞれのスケッチに対して‘自分ごと’のようにアドバイスを下さったのが嬉しかったです。このチームで楽しく活動できた要因はここにつきます!

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(左)私たちのグループ、面白法人カヤックの小倉さん、千葉工業大学の塩谷さん。(右)講師の先生は上平先生と産経新聞の豊嶋さん。1グループに2人の講師がつくのはリッチな体験です♪

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(左)江戸の町火消しをテーマにしたスケッチ。最初からこの書き込み。視点、表現とも充実していた。特に纏(まとい)の書き込みは圧巻。(右)麹町に酪農の牧場があったことを発見したスケッチ。麹町=酪農という思いもつかない史実に着目したのが面白いと思いました。

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私の麹町のお菓子のスケッチ。 麹町に点在する菓子店に着目し、麹町にある菓子店がお菓子の歴史の変化の中でどのように現れてきたのかを可視化したいと思ったスケッチ。ここに至るプロセスはこちらにまとめてあります。

持ち寄ったスケッチの問題として、

  1. 麹町ならではの視点」が足りない。
  2. 見る人の目を惹き付けるアイデアがたりない。 と感じていました。

この点を、グループディスカッションで相談すると、メンバーの方から次々とテーマについて掘り下げるような質問を沢山頂きました。

  • お菓子の歴史っていつ頃から始まっているんですか?
  • 麹町にあるお店の代表的なものはどんなお店ですか?
  • このスケッチだと説明的なイメージが強いのでパッと見てわかり仕掛けがあるといいのでは?
  • スケッチの円の部分が抽象的で何を表しているかわからないので、ここをお皿に見立てるなど工夫してみていいのでは?

メンバーの質問に答えていくうちに、「なぜ、どこに着目してスケッチを描いたのか」が明確になりました。木村さんの講義で、「まずはSimple。情報群に大黒柱を立てるように、インフォグラフィックスの視点を決めましょう」という内容がありました。
私にとって、この「Simple」のフェーズが、このグループディスカッションにあたりました。

そして生まれたのが次のスケッチ。結局お菓子の歴史をシンプルにすると3つに枝分かれする流れが見えてきました。メンバーの小倉さんから、「フォークみたい」というつぶやきが!いいアイデアだな〜と思い、作品に活かしたいと思いました。

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そうか〜。ととても腑に落ちた感じ。普段の授業でも学生たち個々のアイデアが固まらないうちに、グループディスカッションを通じて「自分の考えを人に話すこと」をすると、考えのoutputから、表現に必要となるアイデアのinputが生まれてくるのだということを体感できました。

3_フィールドワーク/ランチ(11:00〜13:30)

あれよあれよ、という間に時間は過ぎ、フィールドワークに出かけることに。まずは、会場近くの和菓子屋「一元屋」でインタビューをしてみることにしました。その後、少し先の麹町消防署へ。ここでも消防士さんに突撃インタビューを敢行。この日は特別訓練(?)中だったのにも関わらず、丁寧に教えてくださいました。

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ここで一休みということで、お昼ご飯を。上平先生が探してくださったおそば屋さんに。2階が打ってつけの作戦会議場でした。ご飯を食べながら、「この後どうするのか?」ということをちょっと話し、その後はもっぱら上平先生、豊嶋さんのお話に聞き入るメンバーたちでした。

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お昼ご飯を食べ終わると、「江戸火消し」をテーマにする小倉さん&上平先生&豊嶋さんは四谷の消防博物館に。私と塩谷さんは、四番町歴史民族資料館へ。ここで江戸時代のお菓子売りの様子を描いた風俗画を見つけたので、コピーして持ち帰りました。会場への帰り道に、クッキーが有名な洋菓子の泉屋&和菓子の老舗鶴屋八幡へ。両店で店員さんに「お店と麹町の由来」についてインタビューするものの、「麹町でなくてはならなかった理由はありません。」という答えが…。

「あれれ?事前調査では、京都の茶文化と伴に麹町にうつってきたとあったのだが〜」この後、ラフスケッチを制作しなくてはならないのに、どうしよう??と悩みつつ会場へ戻りました。

4_説明用デザインラフ制作(13:30〜14:00)

フィールドワークでの気づきを反映したラフスケッチを作成する時間です。もうこの時点になると、書くしかない。時間に追われながらも、講師の方のアドバイスに救われなんとかラフスケッチを仕上げました。

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(左)スケッチの時間は20分くらいしか残っていなかった。(右)メンバーの小倉さんのスケッチ。

朝方メンバーの小倉さんからアドバイスされた「フォーク」というアイデアと、お菓子が3種類に進化・分化していくという構造をなんとか盛り込みたかったので、フォークの背にお菓子の流れを配置し、時代の流れとともに麹町の菓子屋の創業をマッピングしました。

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5_グループディスカッション(14:00〜14:30)

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こんな感じでグループディスカッションを行いました。

6_デザイン制作→完成(14:30〜16:00)

グループディスカッションでのアドバイスを受け、いよいよ完成に向けて最後の制作です。

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最初は丁寧に下書きから。だんだん時間がなくなってきて焦っているところ。この頃になると周りは見えず、ひたすら完成に向けて描く、描く。

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最後はやはり手が動いて、絵の上手な方が力を発揮されていました。

グループディスカッションでも課題に残った、見る人の目を惹き付ける工夫について注力し、ブラッシュアップ。雑誌という媒体も少し意識して仕上げました。

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7_プレゼン/ディスカッション/講評など(16:00〜18:00)

このような感じで完成作品とそれに至るプロセスのスケッチを展示して、みんなで見て回りました。

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同じグループの小倉さん(左)と塩谷さん(右)の作品。

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常葉学園の安武先生(左)と中日新聞の河副さんの作品。いずれも最初のラフスケッチから注目していた作品でした。

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みんなで見て回る時間がとても楽しかった。(左)最後に自分の気に入った作品1点を投票。1作品を選ぶのが大変で、投票したのは最後になってしまいました。(右)

皆さんに評価していただき、プレゼンタイムを頂くことができました。何より嬉しかったのは、一緒に活動した皆さんからいろいろな質問やアドバイスをいただけたことです。

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「他のメンバーの意見を取り込み活かすことができたのはなぜだと思いますか?」「なぜフォークが下を向いているのか?上を向いていた方が良かったのでは?」「紙面の左に今にもケーキをほおばろうとしている人の顔が配置されていたらもっと良かった」など、全く気づかなかった視点やアイデアをアドバイスいただけました。「ぜひ時間のある時に完成するといいですよ」とアドバイスいただいたので、時間を作ってこの作品を完成させたいな〜と思っています。

プレゼンしなら感じたことなのですが、今回の積み残し課題は「表現」。ワークショップでは表現はとにかく、着眼点の面白さを見つけられたらいい。というゴールでしたが、やはり最後は完成度を欲張りたくなってしまいました。

完成を目指して作品を描いている最中に、時間軸の設定やフォークの傾き、お菓子の分岐するラインなど、細かい部分ではツメができていませんでした。

インフォグラフィックスでは、情報を正確に伝えることも重要な命題ですから、この点が今回はうまくできなかったな。と感じました。

8_まとめ

とにかく、今回のワークショップはとても大変でした。でもとても楽しかったです。課題に取り組む姿勢次第でこんなにもワークショップから得るものが変わるのだということに気づきました。

最初の木村さんの講義に始まり、アイデアのプレゼンテーション&ディスカッション、フィールドワーク、グループディスカッション、その最中での講師陣のアドバイス。

基本は個人でのワークを中心としながらも、グループでのディスカッションを交えるなど、自分一人では気づけない着眼点をやり取りできました。

最初から自信を持ってアイデア発想を行えなかった私も、グループの人にアイデアを頂いたり、講師陣から指導いただいたりしながら、自信がつき表現することができました。ワークショップの設計自体が良くし込まれていて充実した活動が行いました。主宰の木村さん!講師陣の先生方ありがとうございました。

謝辞&リンク

このブログで掲載している写真は浅野先生が撮影された写真をお借りしてまとめました。浅野先生沢山の写真撮影お疲れさまでした。参加者の位置からは撮れない貴重な写真をありがとうございました。

同ワークショップの様子は以下の皆様方のブログでも紹介されています。

http://asanoken.jugem.jp/?eid=1701
http://asanoken.jugem.jp/?eid=1702
http://d.hatena.ne.jp/Golden_Jackal/20101121/1290276175
http://kojicozy.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-e3c3.html
http://design.kayac.com/topics/2010/11/Inforgraphics-workshop.php
http://torimichi.blogspot.com/2010/11/2010.html

2010年11月13日 (土)

第3回InformationGraphics[事前準備編]麹町のオタクになる!

第3回InformationGraphics「麹町を時間旅行する」ワークショップに参加することにしました。

参加者には事前準備が必須になるのがこのワークショップの特徴。今回は麹町についてのインフォグラフィックスのスケッチを各自A3用紙1枚にまとめて持参するようお連絡がありました。

昨年度の靖国神社のワークショップでは、十分な下調べができなかったので、せっかくのフィールドワーク&グループワークが台無し。ワークショップにおいて、事前準備がいかに大切かということを骨身にしみて体感したので、今回はしっかりと取り組むことにしました。

木村さんから示された今回のゴールは以下です。

時間という形のないものを、集めたデータをもとに、どういう切り口でどう表現すると相手を引きつける形にできるか。きれいな仕上がりよりは「目の付けどころ」が発見できれば大成功です。


調査1st step 

麹町についてざあ~っと調べてみた。

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千代田区のWebサイトの片隅に以下のような内容を発見!

麹町は、麹町大通り(新宿通り)の両側に形成された町でした。文政(ぶんせい)七年(1824)の『江戸買物独案内(えどかいものひとりあんない)』には 菓子店の名が、明治時代に書かれた『麹街略誌稿(こうじまちりゃくしこう)』には、牽牛子煎餅(せんべい)やとくに落雁(らくがん)が名物だったと記され ています。『新撰東京名所図会(しんせんとうきょうめいしょずえ)』によると、お鉄という女性が売りはじめたお鉄牡丹餅(ぼたもち)や、助惣焼(すけそう やき)(現在のクレープのような菓子)などを売る店があり、いずれも名物として広く知られていました。(千代田区町名由来板ガイドより抜粋。)

フィールドワーク:麹町を肌で感じる

次に、実際にフィールドである麹町を歩いてみることにしました。前回の靖国神社のワークショプでは、フィールドワークの仕方がわからずフィールド ワークの時間が上手に使えなかったという反省点がありました。コンセプトを絞り込まないままフィールドワークしてしまったため、フィールドワークでどんな 見方をすればいいのかを理解することができませんでした。今回は、フィールドワークも実際に麹町を歩いてみて、そこから肌で感じる麹町の魅力について調べてみることにしました。

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歩いてみると、街のところどころに和菓子や洋菓子のお店を発見することができました。特に「一元屋」というお店はレトロな店構え。周囲は高層ビルが立ち並ぶのに、ひっそりとたたずむこのお店に魅力を感じました。

2nd step

予備調査とフィールドワークから感じた直感で!麹町の魅力を切り取る視点を決定しました。麹町の魅力=町人文化。時代を経ても女性に人気のSweetsをテーマに麹町の時間旅行をしてみようと決定!Infographicsの想定としては、女性向け雑誌の特集ページを想定しました。

まずは、麹町にあるお菓子(和菓子、洋菓子)のお店を調べました。

 

麹町お菓子店情報のブログを発見!このブログに洋菓子店が沢山紹介されていました。

 

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調査の結果、際立つお店は以下。

  1. ローザー洋菓子店 千代田区麹町2-2 昭和2年創業というクッキーの老舗
  2. ゴンドラ 千代田区九段南3-7-8 創業昭和8年の老舗で昔ながらのケーキ屋さん

    「パウンドケーキ」が有名

  3. 「一元屋」のきんつば 創業は昭和28年 江戸銘菓の和菓子屋さん「一元屋」

  4. 村上開新堂」のクッキー 宮内省大膳職に勤めた村上光保が「民間に洋菓子を普及せよ」との御仁志で開いた店が最初

  5. 榮陽堂」の丸房露  開業は、明治19年10月9日 東京都千代田区平河町1-5-14

    廃藩により、禄を離れていた初代 西村卯平太は、当時 名を馳せておりました同郷の大隈重信侯を頼って上京してきました。ある時 老侯より、故郷佐賀の銘菓「丸房露」で身をたてよと勧められ創業。

なんだか、麹町には古くからお菓子のお店が沢山ある様子。インフォグラフィックスとしてもうまくいきそうな予感がしてきました。

 

3rd step

今度はお菓子の歴史について調査。麹町をお菓子をテーマに時間旅行するわけですから、お菓子の歴史を調べ、江戸、明治、大正、昭和、平成とお菓子がどのように変化してきたのかを調べてみることにしました。詳しいサイトはここです。

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特筆すべきは、以下。時代と共にお菓子のニーズも変化してきたことがよくわかります。

  1. お菓子の上古時代の古くから果物なども含めて菓子と呼ばれていた。現在のお菓子は奈良朝時代、平安時代初期に輸入された唐菓子に始まるそうだ。
  2. 奈良、平安時代に、遣隋使、遣唐使により唐からお菓子とその製法が伝わってきた。
  3. 室町・安土桃山時代。ザビエルの日本上陸以来、ポルトガル人やスペイン人により砂糖や卵を用いたカスティラ、カラメル等のお菓子が持ち込まれ、我が国のお菓子に大変革をもたらす。
  4. 江戸時代。茶道と共に発達した点心は、上流階級の菓子「京菓子」として独特の発展。一方、政治・経済・文化の中心が江戸に移るにつれ、生活に密着した色々な菓子が作られた。
  5. 明治・大正。明治維新を経過して、ドロップ、キャンデー、チョコレート、ビスケット等が輸入され、菓子界に革命がもたらされた。
  6. 昭和。機械化による本格的な大量生産時代に入る。
  7. 現代。健康志向が高まり、それに応じたお菓子が増えるなどお菓子の種類や消費態様が多様化。

中でも、麹町と由来が深そうなのは、江戸時代京菓子から別れて、江戸菓子が生まれたこと。文明開化と洋菓子の発展です。

Idea sketch
最終的にワークショップの宿題としてまとめたスケッチは以下です。お菓子についての変化は表現できているのですが、麹町ならではの表現が足りていない状態。ここについては、当日のフィールドワークで発見したいと思います。

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